吉野 寬のご紹介

躍動とパッション、時空を超えた神秘の世界へのいざない

原点回帰、平和の創造

吉野寬の絵画は、内面を表し、無限の世界・無限の存在を表現します。吉野寬は、家業の繊維染色で製版業に従事していた27歳のころ、音楽を聴いている時に突然のインスピレーションを受け、作品を描き始めました。それから湯水のようにイメージが湧く作品を数多く生み出してきました。

横浜の市民展で初出展にして初入選。その後、初の海外出展を果たします。パリでの個展では、現地の雑誌にも掲載され、ゴッホ終焉の地・オヴェールシュルオワーズでも個展を開催、フランスの美術冊子「アートメゾンインターナショナル」では金賞を受賞したほか、モナコでは、国主催の芸術賞にて名誉賞を受賞する等、数々の賞を受賞し、高く評価されています。

これまでに描かれたのは、‘天と地’と、カンボジアの世界遺産アンコール・トム、厳島神社、広島の原爆ドーム、フランスはオヴェールシュルオワーズ・教会のステンドグラス・風景画・デザイン画等、多種で多彩な表現。緻密で繊細な技法で描かれる絵画は、天・空・風・火・地・水の森羅万象、古から紡がれてきた時を刻々とキャンバスに刻みながら、さらなる無限の世界を表現。国家・宗教などの枠組みを超え、平和の創造と未来への普遍的な時を描いています。繊細でありながら、ダイナミックなスケール感、安らぎ、怒り、遊び・・・。‘動’を表す、情熱と躍動のエネルギーに満ちています。

海外との往来が根付いてきた横浜の風土で育ってきた吉野の‘自由’を感じる作品の数々。絵画を鑑賞する人は、時空を超えた世界の表現から神秘の世界へ誘われます。心と魂に触れ、感性を高ぶらせ、原点回帰の時間となり、創造的な時ともなるでしょう。

 

吉野 寬からのメッセージ

私は絵を描くとき、いつも「天、空、風、火、地、水」に感謝の気持ちをもっている。なぜなら、これらは人間として生きていくうえで必要な要素であると考えているからだ。「天は神の領域」「空は人類の創造」「風は勢い」「火は情熱」「地は母体」「水は命」 これらの要素が一つでもかけてしまうと、生きていく上での心身のバランスを崩してしまう。

人間は何も持たずに、生を受けこの世に生まれてくる。生きる環境や物質はすべて与えられる物であり、借り物である。そのことを忘れ、私欲に走り人類は滅亡してしまう。今一度、原点に戻り、絵を通じて、全ての物に対する気持ちを心の奥底に持つ事ができれば幸いである。

画家・吉野寛
画家・吉野寛

 

海外の批評

アンコール・トム(バイヨン寺院)Angkor Thom(Bayon Temple)

アンコール・トム(バイヨン寺院)

吉野 寛が描いた「アンコール・トム」は、色使い、コントラストの強い多彩な色価共に厳密であり、デッサンは正確かつ緻密で、そして巧みに星空のような青みを帯び、透明な水に映っている。青のハーモニーは、プルメシアンブルーからサファイヤやアクアマリンまで存在し、建造物やその周囲の褐色や茶色、シエナ土色、オフホワイトや純白に生えている。

 

オヴェールの教会Church at Auvers

オヴェールの教会

「オヴェールの教会」は、古典主義時代の理論家たちが推挙したように、画面は3等分されているようだ。教会を3等分の中央部に配し、空と地面がシンプルであるため一番手の込んだ部分が際立っている。敢えて合成した個性的な色使いとデッサンは本物だ。

銀河鉄道Galaxy railroad

銀河鉄道

太陽と月は神、蠍と牛は星座を表している。地球が何かの力に縛られて動けなくなっている。神は宇宙の調和を保つため、汽車で彼方から神の力であるエネルギーを地球に充電している。

 

吉野は、森羅万象を通して我々を秘義伝授と奥義の旅に案内し、豊かな経験と発想を持つ旅人の跡を追いかけさせる。人類の文化と世界平和の為に吉野が成している事に感謝する。

ル・サロン元名誉総裁(故)ポール アンビーユ

 

「国境を越え、時代を超えた世界遺産の神秘を描く」

先人たちが遺した偉大な建造物。その建造には莫大な時間と労力が費やされ、完成までに無数の人間の汗、そして苦悩と葛藤がしみ込んでいる。常に100色以上の色彩と極細の面相筆を使い、まるで線を編み込んでいくような独自の技法によって描かれた吉野寬の作品は、こうした人間の創造に対する敬意が根底に流れている。人智を結集して造られた文化遺産は、時の流れの中で劣化していく運命を免れる事が出来ないが、彼の作品の上で新たに構築された風景は、風化する事はない。

「天は神の領域」「空は人類の創造」「風は勢い」「火は情熱」「地は母体」「水は命」これらの要素がひとつでも欠けてしまうと、何も持たずにこの世に生まれてきた人間は生きていくことはできない。キャンバスに向かい、膨大な時間をかけて一筆一筆緻密に描き上げる吉野の制作スタイルは、水、音、光、空間をも内包した先人の偉大な創造力へのアプローチと、生きるために与えられた環境や物質全てに対する、謙虚な祈りの姿なのかもしれない。

ART MAISON INTERNATIONAL Vol.10(発行 株式会社 麗人社)より

 

略歴

2000年9月神奈川県勤労者美術公募展にて特選入選。「横浜の夜景」。<tr">2006年5月フランス オーベルシュルオワーズの観光協会にて個展開催。
※現地新聞3紙(Le Parisien、Le gazette、Le ECOH Regiona)より取材。

2000年4月 新潟県寺泊野積「西生寺」作品寄贈。
2000年5月 新潟県寺泊野積「野積の森展示館」にて展示。
2000年6月 神奈川県横浜市「根岸米軍ユースセンター」にて展示。
2000年7月 神奈川県横浜市「横浜英和小学校」にて展示。
2000年12月 財団法人日本航空協会(東京都新橋)本部サロンにて展示。
2001年11月 神奈川県横浜市公募展第57回ハマ展入選「ドイツ リューベックの街並み」。
2003年7月 フランス パリ ベルタンポアレにて初の個展。
美術雑誌掲載「art press」「L’OEL」「Beaux arts」「LE JORNAL DES ARTS」
2004年10月 フランス官展「ル・サロン」入選。
「オーベルシュルオワーズ」(UNIVERS DES ARTSに掲載)
2005年11月 欧州美術クラブ主催「パリ国際サロン展」に推薦にて作品出品。
「キリストの贖罪」(ART MAISON INTERNATIONAL vol.10)
2006年2月 ART MAISON INTERNATIONAL Vo.10にて金賞受賞。
2006年3月 モナコ公国主催 「モナコ・コートダジュール国際芸術祭」にて名誉賞を受賞。
2006年12月 フランス パリ マレ地区のGalarie Thuillierにて個展開催。
UNIVERS DES ARTSにて作家活動および作品の紹介がなされる。
2008年10月 第52回 日本表現派展 入選。「アンコール・トム」「銀河鉄道」
2009年10月 第53回 日本表現派展 入選。「博愛」
2016年10月 第60回 日本表現派記念展奨励賞 入賞。「天と地と」
2017年10月 第61回 日本表現派展 入選。「オーベル・シュルオワーズ」「天変地異」
趣 味 映画、音楽鑑賞、ドライブ、旅行

 

OASISの前身「株式会社 日進感光」について

横浜~染物の地~

開港の地、元町、中華街、みなとみらい21・・・、常に時代の話題をリードしてきた横浜。実は、‘染色の町’という古風な一面があり、多くのスカーフやハンカチは横浜で作られています。スカーフやハンカチは熟練した技術者たちの手をかけて、さまざまな工程を経て生産されてきました。染物は、横浜開港以来の歴史を持ち、最盛期には市内に130の捺染会社があり、海外へも輸出されてきたのです。

横浜~染物の地
横浜~染物の地

 

株式会社 日進感光は、昭和32年6月に有限会社 日進感光製版所として始業し、昭和63年10月に株式会社日進感光へ。そして平成30年6月 OASIS ギャラリーへと展開しています。